21世紀活字文化プロジェクト

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ビブリオバトル(高校)

2014/11/25

全国高等学校ビブリオバトル2014

◆好きな本 伝える楽しさ 友達の輪広がる ゲーム感覚で燃える 
「全国高等学校ビブリオバトル2014」の地区大会開幕が1か月後に迫った。高校生の全国大会は初めて。主催する活字文化推進会議は、昨年の関東、関西大会に出場した高校生、高校の国語科教諭、考案者の谷口忠大(ただひろ)・立命館大准教授による座談会を企画した。集まってもらったのは、2007年にビブリオバトルが誕生したゆかりの場所、京都大学工学部の研究室。本を介したコミュニケーションの不思議な魅力、高校生大会への期待などで盛り上がった。

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――ビブリオバトル発祥の地に初めて来た感じはいかがですか。
山下 谷口先生の本も読ませていただいて、この部屋で始まったというのは知っていたのですが、小さくて想像通りです。
井原 大会と違い、話者と聞き手の距離が近いですね。
谷口 この場所で5人くらいでやっていたのが始まりなんです。
――昨年の関東、関西大会に参加しての感想は。
井原 図書館の先生に誘われて参加しました。発表時間を5分に絞るのは難しかった。元々、人前で発表するのに慣れていませんでしたが、本を通じて人と知り合うことができたのは楽しかったと思います。
山下 私は、昔から本が大好きでした。中学の頃から本を紹介し合っていました。そういった経験を生かせたのも良かったと思います。
――校内などでビブリオバトルをやっていますか。
山下 昨年度は、私も含めた生徒が、他校を訪問してビブリオバトルをやりました。校内でも実施しました。
井原 校内で開こう、参加したいという人は、結構出てきています。
――ビブリオバトル体験後、本の読み方などで変わったことはありますか。
井原 本のどのようなところを人に薦めたらいいのか、少し気にするようになりました。自分が興味のある本と、人が興味のある本は違いますが、人が興味がある本というのはどういうものなのか考えるようになりました。
山下 自分が消化するのと、人に伝えるのとでは違います。人にうまく伝えるにはどのような表現をしたら良いのか、ただ、話すだけでなく身ぶり手ぶりも加えて、まだ読んでいない人に伝えるにはどうしたら良いかを考えるようになりました。
――現役の国語教諭の立場からいかがですか。
高橋 弁論大会を実施している学校は多いと思いますが、ビブリオバトルは好きな本を紹介するだけなので生徒にとっては取り組みやすい。本を読まない生徒が多い中で、同世代の子が紹介したものは、教師が紹介したものよりも生徒が受け入れやすい。知名度が上がったら、ビブリオバトルを採り入れる学校は多くなると思います。
谷口 初めから知名度の高いものはありません。徐々に知られてきているのでそれでいいのではないでしょうか。


◆「まずは参加を」

――「読書離れ」「活字離れ」対策として、ビブリオバトルを採り入れる学校が増えていますが。
谷口 いいことだと思いますね。
高橋 昨年の関西大会後の交流会では、出場した生徒同士メールアドレスなどを交換していました。その後、メールを通して読んで面白かった本を薦め合っていることもあるようです。
山下 関西大会の交流会では、出場者のほとんど全員と話しました。自分がいいなと思った本を紹介した出場者に、その人が気になっているほかの本を教えてもらいました。他校の先生からは「あなたの話したことで、私がグッときたのはここだよ」などと教えていただきました。
井原 交流会が楽しかったというのは分かりますね。いろいろな人が話しかけてきて、そこで新たな発見もありましたから。
谷口 本は好きなものを読めばいいのだから、チャンプ本を選ぶというのはなじまないという意見もありますが、チャンプ本を多数決によって選ぶということがあるから、伝えなくてはいけないという気持ちになるんです。
高橋 そこがゲーム的要素ですね。ゲームになると、中高生は燃えますよね。
谷口 大人もね。
――発表などは得意ではないと思われていたような子でも、ビブリオバトルには人が変わったように取り組むという話も聞きますが。
高橋 本が好きな子はたくさんいます。そういう子たちは、昔の子どもと比べても遜色なく読んでいます。そういう子は「読書が好き」とはあまり言わないのですが、ビブリオバトルを実施するようになって前に出てくるようになりました。
――大会に出たいと思っている人たちに一言。
山下 自分が読んで面白かった本をみんなに伝えて、ほかの人に読みたいという気持ちにさせるだけ。下手でも賞を取れなくてもいいんです。大会だと堅く考えずに自分が成長し、視野も広がるすばらしい機会なんだと思って出てもらえればと思います。
井原 発表のうまさを競う場所というよりも、「参加すると、みんな必ず友達が増えるよ」ということを知ってほしい。迷っているんだったら出た方がいいよ、と言いたいです。
――出場した方がいいかな、うちの高校の生徒はできるかななどと考えている先生に何かアドバイスは。
高橋 まずは1回一緒に行きましょうと言いたいです。生徒に楽しい思いをしてほしいとか、友達を作ってほしいというのはどの先生にも共通することだと思います。出場した生徒の顔を見たら、また次も、と思うはず。
――高校生に何かメッセージをお願いします。
谷口 他校の友達とおしゃべりしに来るつもりで来てもらいたいと思います。本はその際の名刺代わりというくらいの気持ちでいいのではないかと思います。勝ち負けにはあまりこだわらず出てほしいですね。

 
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◇座談会出席者 
立命館大学准教授 谷口忠大さん
大阪女学院高教諭 高橋七浦子(なほこ)さん
渋谷教育学園渋谷高3年 井原陸朗さん
奈良県立畝傍(うねび)高3年 山下藍子さん

 司会・読売新聞学事支援部専門委員 和田浩二

 ◇〜大会要項〜 
「全国高等学校ビブリオバトル2014」は、活字文化推進会議が主催、47都道府県の教育委員会などが後援・協賛している。参加校の受け付けはすでに始まっている。
全国を9ブロックに分け、来月から地区大会を順次開催、各大会の上位入賞者を、来年1月11日に東京・千代田区の読売新聞ビル内のよみうり大手町ホールで開く決勝大会に招待する。決勝、地区大会ではともに、閉会後に交流会を予定しており、参加者同士で懇親を深めてもらう。
開催要項は各地域版に掲載するほか、「21世紀活字文化プロジェクト」のHPなどで紹介している。問い合わせは、活字文化推進会議事務局(03・3217・4302、平日午前10時〜午後5時)。

主催 活字文化推進会議
主管 読売新聞社
後援 文部科学省、全国学校図書館協議会、ビブリオバトル普及委員会、各都道府県教育委員会

〈ビブリオバトル〉
参加者一人一人がお気に入りの本を持ち寄り、順番に5分間で、その本の魅力などを紹介する書評ゲーム。その後、2〜3分間、参加者や聴衆からの質問に答える。全員が発表し終えたら、「どの本が読みたくなったか」を基準に全員で投票を行い、最も票を集めた本を「チャンプ本」とする。「人を通して本を知る。本を通して人を知る」というキャッチコピーとともに、若者の読書推進イベントとして注目を集めている。

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