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ビブリオバトル(高校)

2015/06/23

全国高等学校ビブリオバトル2015

◆本を知る 人を知る
高校生たちがお薦めの本を熱く語り合う「全国高等学校ビブリオバトル2015」。来年1月の決勝大会の出場権をかけた地方大会がまもなくスタートするのを前に、昨年度の第1回大会優勝者と準優勝者、積極的にビブリオバトルに取り組んでいる東京都立小石川中等教育学校の教諭が、考案者の谷口忠大(ただひろ)・立命館大学准教授を囲んで、本を介したコミュニケーションの不思議な魅力について語り合った。

高校ビブリオ2015座談会.jpg

◆初対面でも垣根低く わき出る思い伝えて
――昨年、中村さんは名古屋市で行われた東海大会に参加、榎さんは広島市で行われた中国大会に参加、それぞれ優勝して決勝大会に出場しました。出てみようと思ったきっかけは?
中村 私は偶然、読売新聞で大会の予告記事を読んで参加したくなり、担任の先生に相談しました。読書感想文が得意だったり、小説を書ける生徒向けのコンテストはありますが、自分にはあまり縁がありませんでした。でも、ビブリオバトルは本が好きなだけの自分でも楽しめそうな大会かもしれないと感じました。
榎 大会前から母校の浜田商業高校で本好き仲間と、ビブリオバトルを楽しんでいました。司書さんに「全国大会があるらしいよ」と教えてもらい、まず広島で行われたブロック大会に参加しました。学校も後押ししてくれたおかげで、高校生活の最後に足跡を残すことが出来ました。
谷口 楽しんでもらえているようで普及活動をやってきて良かったです。(笑)
――京都で誕生したビブリオバトルを、熱心に行っているのが東京都です。ほとんどの都立校に私学の一部も加わって、9月には大きな大会もあります。小石川中等教育学校でも盛んなようですね。
中野 一昨年から図書委員を中心に運営、司書とも連携して図書館で開催しています。最初は分からないことだらけでしたが、ビブリオバトルの公式ホームページを参考にやってみたら、プレゼンテーションを聞くだけでも面白い。サイエンスの本をテーマにしたこともあります。多くの人を巻き込もうと、先生方にも質疑応答に加わってもらっています。それから、国語、英語の授業でも行っています。
谷口 それはいいですね。教室で4、5人のグループに分けて一斉に始めると、騒がしくて教室の体をなさなくなるけれど、生徒たちのエネルギーが生産的に動き出して、カオスだけどすごくいい空間が生まれます。
     ◇
――1月の決勝大会にゲストでお呼びした作家の角田光代さんが「高校生たちは本について語りながら、同時に自分について語っていることに気づいた」と感想を話していました。皆さんにとってビブリオバトルの面白さ、魅力はどこにあるのでしょうか。
中村 自分が読んだことのある本の発表を聞いていて、「ふーん、そういう紹介の仕方をするんだ」と感心させられることでしょうか。自分が感動した部分と違うと、「えー、あなたはそこに感動するの?」と驚いたりすることもあります。
谷口 「人を通して本を知る、本を通して人を知る」はビブリオバトルのキャッチフレーズです。本は人によって理解の仕方が違いますが、普段はそのことに気づきにくい。人に話すことによって、つまり読者と読者がコミュニケーションすることで、新しい気づきが生まれていくわけです。
榎 僕は大会で、やなせたかしさんの「わたしが正義について語るなら」を紹介した時、妹との会話を盛り込みました。普段は照れくさいので妹のことを話すことはないのですが、ビブリオバトルだと、日常会話では触れないようなことでも話せます。友人との距離が一気に狭まるような気がします。
中野 人が何を考え、思っているのか、聞くのは楽しいですよね。読売新聞が主催する高校生大会は見学した生徒も加わって交流会が開かれるのですが、すごく盛り上がります。自分が好きな本を発表した生徒と、話をしてみたいという気持ちが強くなるようです。
谷口 それは僕も感じます。ビブリオバトルは本の紹介を通して初対面の人とでも交流の垣根をぐっと下げます。最近は講演でも「ビブリオバトルのイベントの本番は交流会、バトルは前座です」と話したりします。(笑)
     ◇
――大会に参加してみようかなと考えている高校生にアドバイスをお願いします。
榎 みんなの前で発表するのは緊張するかもしれないけれど、好きな本について話すだけで楽しめて、友達もできるはずです。
中村 優勝するために、この本を選ぼうとかではなくて自分が一番気に入っている本を好きなように話して、最後に賞がついてくると最高だと思います。
中野 高校生の皆さん、わき出るような思いをぶつけてください。
谷口 全国大会や地方大会をきっかけにして、学校でのカジュアルなビブリオバトルが広がってほしい。そのためには、まず先生や司書さんが実践することです。そうすると、何が楽しいのかが分かってくる。どうすれば生徒たちにも体験してもらえるかが分かるはずです。
――きょうはどうもありがとうございました。

◆座談会出席者
 立命館大学情報理工学部准教授 谷口忠大さん
 東京都立小石川中等教育学校国語科教諭(司書教諭) 中野靖子さん
 日本大学三島高校3年(第1回全国高校ビブリオバトル優勝) 中村朱里さん
 株式会社ニッタ社員(同準優勝) 榎一真さん
 司会 読売新聞東京本社専門委員 和田浩二

◆10ブロック大会+都府県大会 8月から
 活字文化推進会議は8月から、全国10地区でブロック大会を開催する。優勝者は、来年1月10日に東京都千代田区のよみうり大手町ホールで開く決勝大会に招待する。
 これに加え、今回からは東京都、大阪府など約20都府県の教育委員会、大学などが主催者となって開く都府県大会の優勝者も決勝大会に招く。
 
 活字文化推進会議が主催するブロック大会の応募方法は、ファクス(03・3217・4309)かメール(bib@yomiuri.com)で@(ブロック大会名)参加希望A学校名B学年、発表者(ふりがな)C紹介する本、出版社、著者D担当教諭または司書E電話番号、メールアドレスを明記し、読売新聞東京本社活字文化推進会議事務局へ。
 発表者決定が遅れる場合、学校名だけの仮エントリーも可。一般の観戦者も申し込み必要。@(ブロック大会名)観戦希望A郵便番号、住所B氏名、年齢C職業D電話番号、メールアドレスを明記し、読売新聞東京本社活字文化推進会議事務局へ。
問い合わせは同事務局(03・3217・4302、平日午前10時〜午後5時)。

【ブロック大会の概要】
北海道大会:8月16日(日)札幌市・北海道大学
東北大会:9月6日(日)仙台市・東北大学カタールサイエンスキャンパス
関東・甲信越大会:11月23日(祝)東京・よみうり大手町ホール
東海大会:9月20日(日)名古屋市・椙山女学園大学
北陸大会:8月23日(日)富山県高岡市・読売新聞北陸支社
関西大会:12月6日(日)大阪府茨木市・立命館大学大阪いばらきキャンパス
四国大会:10月4日(日)高松市・アルファあなぶきホール
中国大会:8月1日(土)岡山県総社市・岡山県立大学
北部九州・山口大会:11月8日(日)福岡市・西南学院大学
南九州大会:9月27日(日)宮崎市・宮崎大学木花キャンパス

主催 活字文化推進会議
主管 読売新聞社
後援 文部科学省、ビブリオバトル普及委員会、全国学校図書館協議会、全国高等学校文化連盟
協力 トーハン、河合塾・高校生向けサイト「みらいぶプラス」

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