21世紀活字文化プロジェクト

トップ >  イベント情報 > 文士劇で被災地応援/文士劇団「てくてく座」

イベント情報

2013/03/14

文士劇で被災地応援

■出演
文士劇団「てくてく座」(座長:絵本作家・飯野和好さん)

絵本作家たちが役者をつとめる文士劇団「てくてく座」が昨年秋から、東日本大震災被災地への支援活動を始めた。ことばを通して被災者を元気づける「『ことばを紡ぐ』プロジェクト」(読売新聞社、出版文化産業振興財団主催)の一環だ。子どもたちの笑顔を取り戻そうと奮闘する一座の活動を紹介する。 

人情芝居 笑って泣いて 

「てくてく座」10年ぶり復活公演 

てくてく座2.jpg
 てくてく座が誕生したのは2001年。絵本作家、飯野和好さんの作品に興味を引かれた落語家の呼びかけで、絵本作家や出版社の編集者らが結集し、東京都内の劇場で芝居公演を行ったのが始まり。だが、活動は1年で終わり、長らく休止状態に入っていた。
 一昨年3月に発生した東日本大震災。てくてく座の元座員は個々に被災地に入り、絵本の読み聞かせなどの活動を始めていた。「みんなで取り組めば、もっと大きなことができるのでは」という声が上がり、公演活動を再開し、収益で被災地を支援しようと模索していた時、熊本県山鹿市で開かれる絵本学会の大会実行委員長、長野ヒデ子さんから、公演依頼が舞い込んだ。
 昨年6月の同学会で、一座は10年ぶりに復活、子供たちに笑顔を取り戻してもらおうという「てくてく文庫」の計画が動き出した。
 会場は、てくてく座が前回公演した国重要文化財の芝居小屋「八千代座」。出演する座員は15人。座長の飯野さん、あべ弘士さん、ささめやゆきさん、中川ひろたかさんら絵本作家と音楽家、編集者ら多士済々だ。新人も入り、飯野さん脚本・演出の「山鹿灯籠 夢日記」を演じ、大好評だった。2幕、約1時間半の芝居は、飯野さん演じる謎の旅人浪曲師、ねぎ家朝太郎が恩人の敵を討ち、若い恋人たちも助ける大衆演劇風の楽しい内容だ。
 9月29日には東京で2回公演を行い、有料で760人が鑑賞した。入場料に手ぬぐいの売り上げなども加え、約270万円の収益があがり、てくてく文庫の原資が生まれた。子供向けの本を購入、被災地の幼稚園など子供の施設に1か所100冊程度贈る。座員が寄贈先に直接聞いて必要な本を選ぶ。贈る際は、座員が同行し、読み聞かせなどで、子供たちと交流する。2月末までに4施設に寄贈。今後、16施設に寄贈する予定だ。
 飯野さんは「4月13日の宮城県塩釜市の公演で、いったん一座の芝居は休止するが、声をかけてもらえれば、また復活します。芝居を楽しんでもらい支援につなげたい」と話す。「急がず、のんびり」の意味を込めた劇団の名前の通り、息の長い支援にするため、次の活動を考えている。
 塩釜公演も含め、問い合わせは、出版文化産業振興財団(03・5211・7282、平日午前9時〜午後5時)。
 
 

読み聞かせ あふれる笑顔

「てくてく文庫」富岡幼稚園に寄贈

 富岡幼稚園2.jpg
 福島県会津若松市にある富岡幼稚園を今年1月11日、飯野さんが訪れた。被災地の子供たちに「てくてく文庫」を寄贈するためだ。東京電力福島第一原子力発電所近くの富岡町から避難し、2011年9月に同市で再開した同幼稚園は寄贈先第1号だ。
 園児9人や保護者らが待つ教室へ、飯野さんが拍子木を打ちながら、三度がさをかぶった江戸時代の旅人姿で入った。胴を空き缶で作った弦楽器「カンカラ三線(さんしん)」をひき、自作『ねぎぼうずのあさたろう』『くろずみ小太郎旅日記』など3作の読み聞かせを始めた。
 初めて見る旅人姿に、驚いて泣き出す園児もいたが、楽しい読み聞かせで徐々に笑顔に変わっていく。飯野さんは「かわいい子供たちのまなざしを受けて読み聞かせをするのは刺激になる。やってよかった」と笑った。幼稚園副園長の堀内恵梨子さんも「子供たちも飯野さんの話す力に引きつけられ、大好きになったと思う」と、飯野さん、園児を見つめた。
 震災後、当初は様々な支援があったが、次第に減っていったという。そこへ、園児が大好きな本での支援の申し出があった。堀内さんは「震災からもう2年になり、皆から忘れられているように感じていた。そこに飯野さんから電話をもらい、びっくりした。ありがたかった」と喜ぶ。
 飯野さんは「絵本作家として、絵本で支援できるのはうれしい。子供たちに元気になってもらうため、これからも続けたい」と、被災地支援への思いを新たにしていた。

 〈「ことばを紡ぐ」プロジェクト〉
 読売新聞社と出版文化産業振興財団が、昨年秋に始めた東日本大震災被災地応援活動。朗読劇、特別授業など、ことばの力で、復興を目指す被災地の人たちを元気づける。てくてく座以外には、作家古川日出男さんたちによる「朗読劇 銀河鉄道の夜」の岩手、宮城、福島3県での公演、国際アンデルセン賞を受賞したイギリス人作家、デイヴィッド・アーモンドさんの岩手県立宮古高校での特別授業がある。
 

 

ページのトップへ

過去のイベント

(被災地支援事業)ことばを紡ぐプロジェクト

よみっこ
運動記念講演会

子どもの本
フェスティバル

活字文化
推進フォーラム

その他のイベント