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学校図書館げんきプロジェクト

2013/10/07

読んで復興支援フェア 第3弾

■出演
和合亮一さん(詩人)ほか

読書を通じて東日本大震災の被災地の学校や子どもたちを支援する「読んで復興支援フェア」の第3弾が29日、全国の約330書店で始まる。期間は書店によって異なるが、12月末まで行う。フェアは、活字文化推進会議と大手出版販売会社のトーハンが共同で企画、第1回を昨年2月末から5月末、第2回を同8月末から12月末まで行った。3回目となる今回は「読んで元気に!」がテーマだ。

◆1冊で本代50円寄付
 フェアは、実施書店やトーハンのオンライン書店「e―hon」(http://www.e‐hon.ne.jp)で協賛本=下記URLから=を買うと、読売新聞社が1冊につき50円を寄付する。寄付金は、震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の小中高校の学校図書館に希望する本を寄贈する「学校図書館げんきプロジェクト」(活字文化推進会議、全国学校図書館協議会など主催、読売新聞社など後援)に送る。
 これまでに、合計2万4590冊が売れ、読売新聞社は、122万9500円を寄付した。
 2011年12月に発足したプロジェクトは、昨年から3年間の予定で、3県の小中高校に本を寄贈するための募金活動を展開している。
 フェア実施書店は、「e―hon」に掲載。なお、「e―hon」で購入した場合だけ対象となる協賛本もある。
 ◇学校図書館げんきプロジェクト
 ◆磐城農高 読むのが楽しみ 
 福島県いわき市内にある県立磐城農業高校(佐久間秀夫校長)。同高は震災とその後の余震で、校舎を含め多くの施設が壊れ、使用できなくなった。仮設校舎で授業を再開してから2年以上が経過したが、教室の確保もままならず、図書室は学習室と兼用になっている。
 震災前、蔵書は約2万冊あったが、建物の損壊で雨漏りが発生。廃棄せざるを得なかったものが多く、図書室のスペースも狭いことから、図書室に置いてあるのは常時わずか4000冊だ。
 今回、寄贈された本は段ボールで15箱分。いずれも学校の希望に基づき贈られたもので、グループ研究など授業で使う書籍のほか、子どもたちが楽しみにしている小説やエッセーもある。
 学校司書の佐野有季子さんは「本のいっぱい詰まった段ボールを前に、待ちきれない様子で開ける子どももいた」と話す。図書委員長の岡部英美さん、副委員長の後藤拓海君、芳賀愛実さん(いずれも3年生)は「すごい数の本が届いた。これから読むのが楽しみ」と声を弾ませる。
 「学校図書館げんきプロジェクト」は、地元の書店を通して学校に本を届けている。
 いわき市内で7店を展開するヤマニ書房(小田吉郎社長)もその一つで、磐城農業高にも届けた。
 いわき市内でも、必要な本を求める学校はまだ多い。外商部商品管理総務部長の川角雅俊さんは「本を読むことによって震災から起こるいろいろな不安を解消してもらえれば。子どもたちに一冊でも多く届けたい」と意欲を見せている。
 ◆「ことば」で結びつき深まる 
 ◇詩人 和合亮一(わごう・りょういち)さん 和合亮一.jpg
 ツイッターで東日本大震災に関する詩を積極的に発表している詩人で、高校の現役の国語教諭でもある和合亮一さんに出身の福島市内で話を聞いた。
 ――震災から2年半以上が経過しました。震災当時と今とで変わったことは。
 震災直後に一時矢継ぎ早にニュースが流れたときとは違い、表面上は静かになっています。しかし、その静けさと震災にかかわる問題の解決はまったく比例していない。そのような印象を私のみならず、みんな持っていると思います。
 ――子どもの様子は震災直後と比べてどうでしょうか。
 子どもに詩を書くことを教えているが、「『ふるさと』をテーマに書こう」と言うと、他の地域では「山がきれい」「川がきれい」などという作品になる。だが、福島の子どもたちは「ふるさとを守る」とか「ふるさとをあきらめない」という違う表現をする。表には出さないが、福島の子どもたちはまだストレスを抱えているように思います。
 ――文字やことばで表現することで子どもたちにとっては「癒やし」につながる面もあるのでしょうか。
 あると思います。子どもたちもそうだが、大人たちもそうです。ことばによって気持ちの結びつきが深まったという面もあるし、絆ということを考えるようになった面もある。
 ――復興支援という面でのことばの役割とは。
 ことばの力、役割は非常に大きいと思う。私自身、震災直後からありのままにツイッターに書き続け、いろいろな方から励ましを受け、一晩中メッセージをいただき、また書き続けた。人と人は、こうしてことばで結びつくことができると感じています。
 ――子どもたちが文字・活字離れしているなどと言われているが、国語教諭としてどう感じていますか。
 僕もよく「文学青年だったんですか」などと聞かれるけど、どちらかというと、本を読むよりは、みんなで騒いでいる方が多かったです。中学校、高校のときよりも今の方が本に飢えています。今の子どもたちも漫画を読むとか、音楽を聞くとか、映画を見るとかいろいろな経験をした後に、読書にたどり着けばいいのではないかと思う。本は一生付き合うものですから。
 ――学校図書館の現状をどう見ていますか。
 司書の先生は奮闘しています。ベストセラーやライトノベルなどを置いて、子どもたちを図書館に目を向けさせるような工夫も凝らしています。ただ、単に読書をする場所ではなく、サロンというか、もっと自由に情報交換できるような場であってもいいと思う。本には興味があるが、読書に入っていけない層はかなり多い。新聞や雑誌を読むうちに、本に手が伸びるようになればと思います。
 ――被災地の子どもに本を寄付する支援フェアについてどう思いますか。
 すごくありがたい。被災後、子どもたちのものの見方、感じ方は以前と変わってきている。「もっと勉強したい」という子どももおり、本が求められていると感じています。
 
 ◇1968年生まれ。福島大卒。第1詩集「AFTER」で第4回中原中也賞。第4詩集「地球頭脳詩篇」で第47回晩翠賞。ツイッターで発表した詩を連作にまとめ、その朗読活動なども行っている。

協賛本リストはこちら www1.e-hon.ne.jp/content/fukkou_2013.html


 
 

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