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学校図書館げんきプロジェクト

2012/08/30

「本を読む」復興支援〜第2弾〜

 「読んで復興支援フェア」の第2弾が30日、全国410の書店で始まる。フェアは、活字文化推進会議と大手出版販売会社のトーハンが共同で企画、第1回を2月末から5月下旬まで行った。2回目となる今回は「チャレンジ」がテーマだ。復興に向け、挑み続ける人々を読書を通じて支援する。

1冊で本代50円寄付


フェアは、実施書店で7冊の協賛本=別表=を買うと、読売新聞社が1冊につき50円を寄付する。寄付金は、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の小中高校の学校図書館に希望する本を寄贈する「学校図書館げんきプロジェクト」(活字文化推進会議、全国学校図書館協議会など主催、日本生活協同組合連合会、山田養蜂場、読売新聞社など後援)に送る。第1回では、1万9571冊が売れ、読売新聞社は、97万8550円を寄付した。
昨年12月に発足したプロジェクトは、今年から3年間、3県の小中高校に本を寄贈するための募金活動を展開している。7月末までに約4600万円の浄財が寄せられ、第1次分として3県の286校に3580万円分の図書が贈られた。
フェア実施書店は、トーハンのオンライン書店「e―hon」に載っている。実施書店以外での購入は寄付対象にならないが、e―honからの購入は寄付対象。期間は書店によって異なるが、12月末まで行う予定だ。

 協賛本リスト.jpg

 

 

 

 

 


◇学校図書館げんきプロジェクト

 陸前高田の小学校 笑顔の60冊

 
「学校図書館げんきプロジェクト」は、学校が希望する本を地元の書店を通して届けている。
被災地の学校へ本の寄贈を申し出る声は多い。しかし、贈られた本には古いものもあり、必ずしも学校教育で活用できるわけではないという。そんな中、学校が希望する新しい本を購入できるプロジェクトへの期待は大きい。
第1回寄贈校には、岩手、宮城、福島3県で286校が選ばれた。このうち岩手県陸前高田市立小友(おとも)小学校には今月、今年の金環日食など最新のデータが載った科学や郷土の作家の本など計約60冊が届いた。
同小は震災で1階に津波が押し寄せ、校庭はがれきで埋まった。外で遊べなくなった児童は本をより大切に思うようになった。児童で作る図書委員会の委員長金野祐亮君、副委員長の佐藤若菜さん(いずれも6年生)は「金環日食の本は、図書室のお勧めコーナーに置く」と喜んだ。図書担当の佐藤理恵教諭は「こちらで希望する本を購入できるので、ありがたい取り組みです」と児童の笑顔を見つめた。
3県の小中高校は計約2200校あり、学習に必要な本を求める学校はまだまだ多い。やはり第1回寄贈校の仙台市立東六郷小学校の図書担当、大沼富美子教諭は「いろいろな方が寄付していただいたことに感謝している。プロジェクトを多くの学校が活用してほしい」と、善意の募金に感謝し、プロジェクトの広がりを期待している。

 

子供たちはもっと挑戦できる 


◇作家 古川日出男さん


福島県郡山市出身で、東日本大震災後、被災地を訪れ、朗読劇上演など様々な活動を続けている作家、古川日出男さんに震災、被災地への思いを聞いた。古川日出男3.jpg


――震災を経験してどう思ったか。
ずっと小説を書いて生きてきたが、この被害の前では、小説など何の意味もない、被災者に寄り添えるものではない。自分も小説を読みたくないし、他人に届けることもできないと思っていた。
――だが、被災地を取材して小説を書き、被災地で朗読劇上演も行っている。
そうした苦しい状況下でも読める本があった。その中に宮沢賢治がいた。非常事態にこそ必要とされるものがあるとわかった時、僕ももっと自覚して創作しなければと思った。そして、詩人の管(すが)啓次郎さんからの提案もあり、賢治の「銀河鉄道の夜」を朗読劇にし、上演した。
――被災地の子供たちをどう思うか。
被災地の子供たちは、いろいろな形で選択肢を突きつけられている。現実に向き合いながら何かを選んで行動する。あるいは行動できないという自分を見つめる。平穏な日常ではやろうと思ってもできない経験だと感じる。
――そんな子供たちへのメッセージは。
他の人たちには触れられない選択肢を目にして通過してきたこと自体が強さであり、「もっと挑戦していけるのだ」と考えることができる。震災後のここまでも挑戦だったし、かつ、ここからも自覚的に、もっともっと挑戦していける。君たちにはそんな力があるんだよって伝えたい。
――今後の活動は。
何より小説を書き続けないといけない。同時に、朗読劇なり、何か役に立つなら話すなりというように、直接的に体を使ってやる活動と、分けてやっていきたい。震災以降、周りから「子供のために何かすべきだよ」と言われるので、小学生から高校生といった子供たちに通じることもやろうと思う。

古川さんは、仲間たちと9月22日から24日まで、岩手、宮城、福島の3県で「朗読劇 銀河鉄道の夜」無料公演を行う。また、出身高校での講演、神奈川県内の高校での上演などを通して若い人たちの中にも飛び込んでいくという。

◇1966年生まれ。著書に「LOVE」(三島由紀夫賞)、「アラビアの夜の種族」(日本推理作家協会賞、日本SF大賞)。震災後の福島県を取材した「馬たちよ、それでも光は無垢(むく)で」など。自作の朗読活動にも力を入れている。
 

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