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成毛眞の新読書スタイル

2013/12/26

おすすめの本(17)『名も無き世界のエンドロール』

行成薫/著、集英社、1365円(税込)

名も無き世界のエンドロール.jpg小学校の同級生マコトと城田(キダ)。毎日いたるところにドッキリを仕掛けるマコトの鞄の中には、教科書は入っていなくてもドッキリを仕掛ける道具はわんさか入っている。城田はそのマコトのドッキリに1日に3回はひっかかるビビリの達人だった。そこに金髪で訳ありそうな女子・ヨッチが転校してくる。3人は親に捨てられていたり、死別していたりと同じ境遇にいることで意気投合。中学、そして高校と違う学校に行っても常に一緒の3人だった。

高校を卒業して、地元の小さなクルマ修理工場で働きだしたマコトと城田。ある日、超高級車を凹ました美人でスタイル抜群、だけど最高に性格の悪そうな若い女が飛び込んできた。無免許で走っていて犬を轢いたという。父親に知られるのが嫌だから、なんとか直して欲しいと。500万は掛かると言う修理代にも怯むことなきお嬢様だ。そんな女にマコトは手の中から万国旗を出して見せ、一輪の花を差し出した。

それからマコトは“プロポーズ大作戦”という名のドッキリを仕掛けるために、仕事をやめ金を稼ぎ、輸入会社の社長にまで上り詰める。城田は「交渉屋」という闇の職業につきつつ、マコトをサポート。さて“プロポーズ大作戦”は成功するのか?いや、その前に“プロポーズ大作戦”とは何なのか??

時間を行ったり来たりしながら進むこの物語は、読み進めるうちに思いもよらない方向に進んでいきます。そして最後には胸がぎゅっと締め付けられる。途中で止められないエンターテインメントなのに、この終わり方の切なさは一体!?まだこの1作しか出していない著者の作品ですが、ぜひ読んでみて欲しい1冊です。

ダイハン書房本店                                                        山ノ上純

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