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成毛眞の新読書スタイル

2014/01/14

おすすめ本(19)『れんげ荘』

群ようこ/著、角川春樹事務所、560円(税込)

れんげ荘.jpgお愛想や残業だらけの仕事を捨て、今後の人生、働かず月10万円で暮らしていく!

そう決心したキョウコが選んだ家は、6畳1間、シャワー・トイレは共同で家賃は3万、冬はすきま風がひどく、夏は蚊に襲われる「れんげ荘」。不便だけど、季節を感じながら心穏やかに過ごし、小さな幸せを感じる日々。

さて、キョウコが貯金生活者を決心したのは45歳である。今の私とそう年齢は変わらない。働かずに貯金だけで暮らしていく事はとても憧れるけど、同じぐらいの貯えを持っていたとして、はたして自分に同じ決心ができるだろうか。常々シンプルに生きたいとは思っているけど、実は色々買いたい物や、行きたい所、あとは捨てきれないしがらみなどが多すぎて、本当にシンプルに暮らすのは難しいだろうなと、この本を読んで考えさせられました。

だからこそキョウコの決断の物語は読んでいて、ああ私にはこんな事は無理とか、自分だったらここはこうして暮らして行くだろうなとか、まるで貯金生活者の先輩から素敵な話を聞いているように想像してしまう。

この本の中では、主にキョウコの周りの人たちとの関係が中心に話がすすんでいきますが、続編の『働かないの』では、働いてない上に趣味もなくっていいのだろうかという、心の葛藤や悩みについても描かれています。働かないと決めたけどこのままで本当にいいのか。

誰でも少しの決心でこの物語の世界のように生きることができる。だからこそ、キョウコの、不便さに少し困りながらも、働かないことに対して悩んだり、迷ったりする姿を身近に感じると思います。ぜひ月10万生活を面白がって読んで見てください。

旭屋書店 KuLaSu seasonなんばパークス店
鎌田 千恵子

 

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