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成毛眞の新読書スタイル

2014/05/01

おすすめの本(46)『食品の裏側2 実態編』

安部司/著、東洋経済新報社、1,400円(本体)

食品の裏側2.jpg生きていく上で欠かせない毎日の食事。どの店で、何を買って食べるのか。日々の選択の積み重ねが私たちの身体を作っているが、知らず知らずのうちに安全性がはっきりと証明されていない大量の食品添加物を摂取することになっているとしたら・・・?!

2005年に第1弾として刊行された『食品の裏側』は「食の安全のバイブル」として60万部突破という大きな反響を呼んだ作品。かつて食品添加物商社に勤め、自分の娘が自分の売った添加物で作られたミートボールをほおばる姿に衝撃を受けた著者が、9年間の時を経て第2弾として執筆。その間に「食品」を巡る実態が改善されることはなく、さらに深刻化している。

内容は事実のみを述べているだけに衝撃的だ。

市販品と家庭で手作りしたハンバーグ弁当の比較では、市販品に含まれる大量の添加物に誰しも目を覆いたくなるだろう。なんと白ごはんにまで添加物が使われているのだ。これはハンバーグ弁当に限ったことではない。スーパーやコンビニ、ファミレスなどで提供されるに食品には「安い」「簡単」「便利」「きれい」「おいしい」を追求した結果、信じられない量の添加物が使用されている。

「この食品を食べるとキレる子になる可能性があります」こんな表示のある食品を食べたい、食べさせたいと思うだろうか。実際に英国で特定の合成着色料を使用した飲料に表示されているという。「危険とは言えないが安全ともいえない」という見解だ。

「食の安全」が叫ばれて久しいが、日本においては認可される添加物は年々増加しており、情報開示は一向に進んでいない。本当に安全なものを食べたいと思ったら、情報を自ら収集し、選択眼を磨くことが必要だ。また食品添加物以外にも農薬、放射能汚染等食品を取り巻く不安要素は増すばかりだ。著者は私たちに、「こんな現状ではもう何も食べられない!」と嘆くのではなく賢い消費者として自ら「食の安全」を取り戻す努力を促す。本書は「何を食べ、何を食べないのか」という、人間が生きていく上で欠かすことのできない選択の一助となってくれるだろう。

有隣堂
渡邉郁

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