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成毛眞の新読書スタイル

2014/05/13

おすすめの本(47)『菊池亜希子のおじゃまします 仕事場探訪20人』

菊池亜希子/著、集英社、1,296円(税込)

書評47書影リサイズ.jpgいつ頃からだったでしょうか、気がつけば私達書店員の中に“菊池亜希子”という女性が認識されるようになったのは。

女優でありモデルであり、イラストが上手く、おかっぱ頭がよく似合う女性。そして『菊池亜希子ムック マッシュ』では自ら編集長も勤めている人です。そんな彼女を支持する人は実に多く、流行り物が好きそうな女子高生、子育てに明け暮れているような世代の女性、服にこだわりを持っていそうな青年、ドラマで彼女を見たというサラリーマンの男性…と様々な人が彼女の本を買っていくのを、1ファンとして我が事のように誇らしいような気持ちで眺めております。

そんな彼女のこの春に発売した最新刊は、“仕事場探訪”と題にある通り著者がそれぞれの第一線で活躍しているクリエイター達20人を訪ね、分析してイラストを描き、お茶菓子を食べながらおしゃべりする、という内容。糸井重里、くらもちふさこ、皆川明、祖父江慎、松浦弥太郎、小川洋子…といった誰しも名前を耳にしたことのあるクリエイター達。彼らの秘密を探るなどという鋭い内容ではなく、ただ穏やかに談笑するだけ。著者はそれぞれの人に合わせたお土産とファッションをチョイスして笑顔で出かけて帰ってくる…。

何て素敵な本が出たのだろう、と手にとった瞬間高揚しました。彼女が紹介してくれるお仕事場は1つとして同じものはなく、その人その人の空気に満ち溢れているのが分かります。仕事への想いや性格、暮らしぶりがそこから伝わるように、著者は愛らしいイラストを文章と共に書き記しています。

そして最後に著者自身の仕事場も紹介していて、その中で『思っている以上に、私はこの部屋に助けられているのだと思う』という言葉があり、そうか!彼らもきっとそれぞれが自分の仕事場に助けられているのだ、と気づきました。憧れの人たちの“生”の部分に触れた気持ちになれる1冊です。同じ気持ちを分かち合いたい大切な人への贈り物にお勧め致します。

宮脇書店
藤村結香

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