「新聞読むことが大切」、池上彰さん、姜尚中さんが対談

国際情勢などを語り合う池上さん、姜さん(長崎県大村市で)

 長崎県大村市で10月28日、講演会「池上彰のニュースから世界を読み解く」(学校法人鎮西学院主催、読売新聞社主管)が開かれ、ジャーナリストの池上彰さん、鎮西学院学院長で政治学者の姜尚中さんが公開対談を行いました。同じ1950年生まれの2人は、国際政治の舞台裏で働いている複雑な政治力学について見解を述べ合ったほか、「世界の動きを把握する上で、新聞を読むことが大切」との認識で一致しました。

 サウジ人記者の殺害事件の背景について、トルコとサウジの中東圏での覇権争いがあるとした上で、姜さんは「トルコの大統領は、下手人はサウジの皇太子とは言いませんでした。場合によっては裏取引でサウジから投資を引き出すこともあり得ますか」と質問。池上さんは「最後まで追い詰めないのは外交の一つのルール。その可能性は十分にあります」と応じました。

 最後にお二方は会場に向けて、新聞が世界の動きを知るために重要だと強調しました。多数詰め掛けた高校生たちに向かって、姜さんは「東大でも新聞を読んでいない学生が結構います。今、読んでいない学生さんは是非新聞を読むようにしてください」と呼び掛けた。池上さんも「私は新聞大好き人間で、新聞を13紙とっています。すると、新聞の見出しを見ただけで、あの話が今度こうなったのかと分かります。新聞の情報が流れの中でひっかかると、どういうことなんだろうと本で調べてみる。するとストックになる」と語りました。(今月18日の読売新聞西部本社版で詳報します)

 

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