【私のオススメ本】川崎ブレイブサンダース主将 篠山竜青さん推薦!
「『一瞬で決断できる』シンプル思考」 遠藤保仁著

 ◆「考えすぎず」試合に余裕
 横浜市出身で、小学生の時にバスケを始めました。強豪の北陸高校(福井市)に進み、日大を経て、2011年にブレイブサンダースに入りました。
 1メートル78、78キロと体格は平凡で、瞬発力などの体力面も普通。だから司令塔役のポイントガード(PG)として、頭をフル回転させてプレーするのが身上です。相手チームデータやキーマンを頭にたたきこんで試合に臨みますが、過度に考え込む性格で、周りが見えなくなることもありました。
 例えば、昨シーズン、日本代表レギュラーPGの富樫勇樹選手を擁する千葉ジェッツに、年間王者を決めるチャンピオンシップで敗れた試合。自分が富樫選手の動きばかりに気を取られ、他の選手の動きも含めて試合全体を俯瞰(ふかん)できなくなったのが敗因でした。
 リーグ戦終了後、何とかしないといけないと思い、この本を読みました。サッカーの遠藤選手とは競技が違いますが、体格は1メートル78、75キロとほぼ同じ。以前から著書を参考にしていましたが、遠藤選手が言う「考えない習慣」にハッとさせられました。
 遠藤選手は、コーナーキックを蹴る時の心理状態について「だいたいあのへんに蹴ろう。誰か飛び込んでくれるだろう」という程度だと明かし、「勝負どころで考えすぎると思考が複雑になり、蹴ることに集中できなくなる」と解説していました。うまくいかない時は、考えすぎて何かに固執し、自分に余裕がなくなっている状態だと気付きました。富樫選手を自由にさせまいと、やみくもになっていたあの試合がそうでした。それまで、自分のプレーを支えてきた「データ」を捨てられずにいましたが、あえてデータを捨てて、シンプルにプレーすることの大切さを学びました。
 おかげで、今シーズンの開幕戦(10月4日)の相手は千葉でしたが、富樫選手にとらわれることなく、いい動きができて、勝つことができました。今シーズンは今まで以上に余裕を持って試合に臨めています。リーグ初制覇を目指し、一つ一つの試合に集中したいと思います。
     ◇
 KADOKAWAから2017年に出版。遠藤選手(ガンバ大阪)はサッカー日本代表の司令塔として活躍し、国際Aマッチ出場数最多記録(152試合)を持つ。冷静な判断力と広い視野を誇る「頭脳派」で、本書以外にもサッカーの戦術などに関する著書が複数ある。 

※2018年11月16日付けの読売新聞神奈川県版にも掲載されています

 

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