朝井リョウさん×宇垣美里さん トークイベント

  平成元年生まれの作家・朝井リョウさんの新刊「死にがいを求めて生きているの」(中央公論新社)の刊行を記念して、朝井さんとフリーアナウンサーの宇垣美里さんのトークイベント「新読書スタイル~平成の文学」(活字文化推進会議主催、中央公論新社協賛)が3月23日、東京都新宿区のDNP市谷左内町ビルで行われた。

 最新作では、植物状態のまま病院で眠る青年と献身的に見守る友人を中心に、自らの価値を探し求めてもがく「平成」を生きる若者たちを描いた。朝井さんは「これは私にとっての平成の文学。平成の対立をテーマに小説を書こうということになったけれども、対立を思い浮かばなかった」といい、「ゆとり世代は、人と比べず個性を大切にという青春時代を過ごした。自分らしさを考えすぎると、人と比べ始めて、自己否定が募る。自滅精神と『ナンバーワンよりオンリーワン』という聞こえのいい言葉も全部つながっているという思いをすべて詰め込んだ小説です」と語った。

 同じく平成生まれの宇垣さんは「えぐってほしくなかったところをえぐってくださる本です」とし、「一方で主人公や登場人物に自分に近いものを持っている人がいます。読み進めると、自分では『何々しなきゃ』と思っていないつもりだったけれど、そう考えている自分がいることに気づかされました」と感想を話していた。

 詳報は、5月中旬の読売新聞朝刊に掲載予定。

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