【話題の一冊②】「セミ」 河出書房新社

 世界的ベストセラー「アライバル」を中心に、世界的評価を集めるイラストレーター/絵本作家/映像作家である、ショーン・タン氏の5年ぶりの最新作絵本「セミ」が河出書房新社から発売された。同氏はアングレーム国際コミック・フェスティバル最優秀作品賞など、世界的な芸術賞・文学賞を多数受賞し、今最も注目されるアーティスト。

 人間と同じオフィスで働くサラリーマン「セミ」の目線から、風刺とユーモアをもって紡がれる32ページの物語。子供はもちろん、働く大人が呼んでも十分に32Pとは思えない、ずっしりとした読み応え、イラストの見ごたえが満たされる一冊。

  最後の数ページでは、ショーン・タン氏にどのようなメッセージが込められているのだろうか考えさせられる一冊。

 

 

【ショーン・タン】

1974年オーストラリア生まれ。幼い頃から絵を描くことが得意で、学生時代にはSF雑誌で活躍。西オーストラリア大学(University of Western Australia)では美術と英文学を修める。これまでに発表したいずれの作品も卓越した内容と表現で評価が高く、オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。作品は世界中で翻訳出版されている。現代を代表する新進気鋭のイラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとして活動の場を拡げている。9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2011年にアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。現在、メルボルン在住。代表作『アライバル』(小林美幸訳)のほかに『遠い町から来た話』、『ロスト・シング』、『鳥の王さま』、『エリック』、『ロスト・シング DVDボックスセット』(以上、岸本佐知子訳)、『見知らぬ国のスケッチ』(小林美幸訳)、『夏のルール』(岸本佐知子訳)が邦訳されている。

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