【話題の一冊④】「春淡し」 佐伯泰英著 光文社

 大ヒットシリーズ「吉原裏同心」がリニューアルし、「旅立ちぬ」から始まった吉原裏同心抄シリーズの六刊目。

 ある年の師走、町名主の会合で吉原会所七代目頭取四郎兵衛から、高齢を理由に跡継ぎとなる八代目を決めたい、との申し出がある場面から物語りは始まる。四郎兵衛からは、腕利き裏同心の神守幹次郎の推薦があったが、駒宮楼主人六左衛門らからの異論があり、話し合いは紛糾。ここからそれぞれの思惑や私怨が絡み合い画策や探り合いへと展開する。

 ある時、幹次郎と女裏同心の澄乃らが帰宅途中、六左衛門の差し金で刺客に狙われる。また、留守宅に飼い犬がさらわれ、敵陣におびき出されるなど、様々な事件に巻き込まれる。

 自らが望んだ事ではない八代目就任から始まった騒動に巻き込まれた幹次郎はどのような決断をするのか。

 

【佐伯泰英】

「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズなどの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。「吉原裏同心抄」は2019年10月7から「新・吉原裏同心抄」にシリーズ名が変わる。

          

 

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