全国高校ビブリオバトル代表、東京・愛媛・宮崎・香川で決定

東京…樋口愛菜さんと辻井龍之介さん、チャンプ本は「N」

優勝した樋口さん(右)と準優勝の辻井さん

 高校生がお薦めの本を紹介し、聴衆の投票で最も読みたい作品を決める「高校生書評合戦 ビブリオバトル東京都大会」が22日、渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた。都大会では、小説家の町田そのこさんが講演し、自身の中高生の頃の読書体験や、小説家になるきっかけを語った。

 

 大会には134人が出場。都立桜修館中等教育学校4年、樋口愛菜さん(16)が紹介した「N」(道尾秀介著、集英社)が最高賞のチャンプ本を獲得した。準チャンプ本に選ばれたのは、都立八王子東高校1年の辻井龍之介さん(16)が取り上げた「百年法」(山田宗樹著、KADOKAWA)だった。2人は来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(豊島区)で開催される全国大会に出場する。

 

 樋口さんは「まさか選ばれるとは思っていなかった。うれしい」と喜んだ。辻井さんは「選ばれなかった人の思いも背負ってやりたい」と全国大会への決意を語った。

愛媛…高橋匠馬さん、チャンプ本は「『はじめまして』を3000回」

愛媛代表の高橋さん

 高校生がおすすめの本の魅力を語り、聴衆がもっとも読みたくなった1冊に投票する「全国高校ビブリオバトル愛媛県大会」(媛の国ビブリオバトル実行委員会主催、松山東雲女子大・短期大、活字活性化推進会議共催)が15日、松山市桑原の松山東雲女子大で開かれた。喜多喜久さんの小説「『はじめまして』を3000回」(幻冬舎)を紹介した新居浜東高3年の高橋匠馬さん(17)が優勝した。高橋さんは来年、東京で開かれる決勝大会に出場する。

 

 高橋さんは「登場人物を自分に乗り移らせるように感情を込めた」と話し、1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で行われる決勝大会に向け、「県代表の名に恥じぬ活躍をしたい」と意気込んだ。

宮崎…岡田華音さん、チャンプ本は「#真相をお話しします」

お気に入りの本を紹介する岡田さん

 高校生がお薦めの本を紹介し、書評を競い合う「宮崎県高校ビブリオバトル大会」(ビブリオバトル生徒実行委員会、県教育委員会主催、活字文化推進会議、読売新聞社後援)が14日、宮崎市の県立図書館で開かれた。好きなミステリー小説の魅力を訴えた宮崎北高1年、岡田華音さん(16)が優勝した。

 

 13人が参加。1人5分間で本の魅力を紹介し、質疑応答の後、観覧者が一番読みたくなった本を投票した。

 

 岡田さんは、結城真一郎さんの小説「#真相をお話しします」(新潮社)を紹介。「安直な考えだと真相にたどり着かない。自分の常識が一気に覆された。この本は様々な可能性を教えてくれた」と強調した。

 

 優勝に伴い、岡田さんは来年開かれる決勝大会に出場することになり、「私がこの本が好きだという思いを持って、本の魅力を伝えたい」と話した。決勝大会は来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で開催される。

香川…加藤奈桜さん、チャンプ本は「その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱」

優勝した加藤さん(高松市で)

 香川県内の高校生がお薦めの一冊を持ち寄り、書評を競い合う「第8回高校生書評合戦 ビブリオバトル」(県教委など主催)が14日、高松市郷東町の県教育センターで開かれた。県立三木高2年の加藤奈桜さん(16)が優勝し、東京で行われる決勝大会への出場権を獲得した。

 

 6人が出場。1人5分の持ち時間で本の魅力を語り、観戦者47人が最も読みたくなった本に投票した。加藤さんはエッセー「その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱」(ミシマ社)を紹介した。愛媛県の実家の農地が太陽光パネル業者に売却されるのを阻止するために立ち上がった、高橋久美子さんの奮闘が描かれた一冊。

 

 加藤さんは「思いついたらすぐ挑戦する高橋さんの姿に勇気をもらえて、人とのつながりの大切さ、日本中の人が作っている食べ物への思いを感じられる」と魅力を語った。

 

 加藤さんは昨年、体調不良で出場できず、優勝の喜びもひとしお。決勝大会に向け、「全国の人に読みたいと思ってもらえるよう、レベルアップしていきたい」と意気込んだ。決勝大会は来年1月28日に東京国際大池袋キャンパス(東京都豊島区)で開催される。

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