全国大学ビブリオバトル、グランドチャンプ本は「同姓同名」…神戸大3年の佐久間諒さんが紹介

「同姓同名」の魅力を語る佐久間さん

 大学生がお薦めの一冊を語り、聴衆が読みたくなった本を投票で決める書評合戦「第14回全国大学ビブリオバトル~首都決戦~」(活字文化推進会議主催、ビブリオバトル協会、ビブリオバトル普及委員会共催、読売新聞社主管)が17日、東京都世田谷区の昭和女子大学で開かれた。神戸大学農学部3年の佐久間諒さん(21)が取り上げた「同姓同名」(下村敦史著、幻冬舎)が最高賞の「グランドチャンプ本」に輝いた。

 

 人気ミステリーの魅力をハイテンポな口調で紹介した佐久間さんは、表彰式で「言葉には特別な力があります」などと喜びを語った。トークセッションには作家の角田光代さんと、読書好きな元ボクシング世界王者の村田諒太さんが登場し、約400人の聴衆を楽しませた。

 

 地区予選には93校の延べ1687人が参加し、代表の30人がこの日に臨んだ。

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「完全燃焼できた」佐久間さん

 佐久間さんは「完全燃焼できた。大好きな本の魅力を伝えることができてうれしい」と受賞の喜びを語った。

 

 佐久間さんが紹介した「同姓同名」は、登場人物が全員、凶悪犯と同じ名前を持つミステリー小説だ。SNSなどで誹謗(ひぼう)中傷を受け、人生を狂わされた人たちが被害者の会を結成すると、新たな事件が起きる。発表では、「被害者たちは、真相を暴くことができるのか。いや、どう頑張っても見破ることはできない」と力強い口調で聴衆に訴え、最多票を獲得した。

ビブリオバトルの考案者でプレゼンターを務めた谷口忠大・立命館大学教授と並んで喜ぶ佐久間さん(東京都世田谷区で)

 

 閉会式の受賞あいさつでは、持参した原稿を読み上げた。司会者から「用意してきたとは」と突っ込まれ、大きな笑いを誘っていた。佐久間さんは「自信はなかった」と言いながら、「優勝してスピーチの機会があるなら、言葉の力を信じる人たちが集うこの大会がどんなに素晴らしいか、それを伝えたかった」と語った。

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