読書に焦点をあてた大学での新しい試みです。
単位が修得できる正規授業で、作家などを招いた特別授業(一般公開)もあります。
生物学者・福岡伸一さん公開授業「なぜ学ぶのか」自由つかむ時間旅行私は生物学者ですが、興味があるのは、生物学的な知識だけではなく、細胞の中のミトコンドリアは、誰がそう名付けたのか、どんな意味なのかといったことなのです。教科書の1行の記述には、たくさん人の知りたいという願いや発見がある。学ぶということは
主催者挨拶 井面(いのも)信行・近畿大文芸学部長 人間が作る物語ブーム 本学での「読書教養講座」は今回で4回目です。来年4月、本学で文化・歴史学科がスタートすることから、「歴ドル」の小日向えりさんをお招きしました。 今、歴史ブームだと言われます。歴史という言葉は、英仏独語ともに「できごと」「
作家玉岡かおるさん講演「青年よ、読書人たれ日本のこころをつなぐ道」多読で立身出世した大番頭かつて日本一の年商を上げた商社が、神戸にありました。私が「お家さん」で描いた鈴木商店です。何の後ろ盾も歴史もない小さな個人商店が財閥系の三菱商事をしのぐ商社になる。そののし上がっていく過程に、興味がありました。
万城目学さんトーク「読書と創作の現場から」筋書き先の先まで頭で準備【柏木】万城目作品の面白さは、プロット(筋書き)の立て方にあるようですね。【万城目】あらかじめ綿密にプロットを立てて書く方です。来年の3月から新しい小説の連載が始まりますが、その前の4か月で1年分のストーリーを作ります。初期のうちは、
佐野眞一さん講演「“読む力”を鍛えるために」見る聞く話す読む力の源「読む力」というと、対象が活字に限られていると思いがちですが、僕はそうは思いません。相手の気持ちを読む。こういうことを言われたり、やられたりしたら嫌だろうなというのが読む力の基本だと思う。あるいは、こんなことを
■出演 福原義春さん 阿部和重さん 西南学院大学読書教養講座公開授業(主催活字文化推進会議・西南学院大学、主管読売新聞社)が5月15日に資生堂名誉会長の福原義春さんを、6月1日に芥川賞作家の阿部和重さんを講師に迎えて、福岡市の同大学で開催された。経済界随一の読書家として知られる福原さんは「読書
川上未映子さん講演「読書のひみつ、読書のよろこび」言葉で他者とつながるなぜ書く側の人間になったのか。作品を書いてわかったことですが、私は死について言葉にできない違和感が常につきまとっている子どもでした。その違和感をうまく説明してくれるものを探して、図書室で本を読むようになった。でも当時、手に取れる範
講談師旭堂南陵さん基調講演「声を出して読む文化」講談は伝統的に「読む」と言います。本を読むという原始的な形を一番残している芸能です。文字を読めるというのは、すごく恵まれたことなんですね。奈良県の盲老人ホームを訪ねた時、お年寄りが「漢字と仮名交じりの文章って美しいんでしょうね」と言われたんです。そうや
基調講演「抽象力」「抽象」とは、モノゴトや概念の要らない部分を捨てて、特定の性質を抜き出して理解することです。自動車などは、どんな車種であろうと「クルマ」には違いない。それで通じますね。さて、話は飛びますが、私たちはどこかで「昔の人は迷信深く愚かだった」と思ってはいないでしょうか。科学的な知識は時代
松浦理英子さん講演「書きながら読む」小説は生き物、魂感じる私たちが小説をどのように楽しんでいるかを、小説を書くことに絡めつつ話していこうと思います。私が最初に書いたのは、小学1年のとき、教科書の短い物語を読んだ後に、登場人物だけ同じの、全く新しい別の物語を何ページにもわたって創作しました。少し大げさ