大学との共催で行う公開講座です。作家や評論家などの講演のほか、開催大学の教師との対談もあります。
基調講演「日本人の活力」/津本陽さん年重ね見方に変化「日本人の活力」では、歴史小説を書き始めた戦国時代からの時代の流れや背景を説明したうえで歴史を動かした人物たちの活力を紹介。「これから世界情勢の変化はすさまじい状況になると思うが、歴史小説を書く者としては、それを切り開く活力というか、織田信長のよう
基調講演「読書の解剖学」/養老孟司さん 目、耳、手で言葉を捕らえる 言葉というのは、3通りの感覚で捕らえることが出来るんです。1つが目です、文字を読む。それから耳で聞くというのがあります。もう1つ、手で触るというのがあるんです。手で触っても言葉ということは、一般の方はほとんど意識されていないんで
基調講演「活字のパワーを取り戻せ」/逢坂剛さん受験戦争で活字離れに活字が読まれなくなったのは、携帯電話やパソコンが普及したためと一般的にいわれておりますが、それは当たっていると思います。私は今、自宅から神保町の仕事場まで京王線で毎朝通勤していますけれど、去年ぐらいまでは、電車の中で、大体携帯電話をカ
基調講演「日本人のユーモア〜文字に書かれた笑いの歴史」/阿川弘之さん文字を持ってから人類は急激に進歩活字文化のもとは、日本でいえば、江戸時代は木版刷りとかの印刷方法で、その前は、もう写本になるわけです。基本になるのは文字であり、この文字がいかに大事かということを、明治の文豪、幸田露伴先生が『太公望・
基調講演「図書館で世界を旅」/谷村志穂さん五、六歳のころ、父に連れられて北大によく来ました。都心にありながら広々としたキャンパスを、「学生さん」が本を片手に歩いていました。こうした光景が心に残り、ごく自然と北大に進学しました。読書も幼いときに、本と出合うことが大切です。学校で朝、読書をする中学、高校
基調講演「石に刻む言葉」/高山文彦さん旧約聖書の大叙事詩「ヨブ記」今日の演題の「石に刻む」は旧約聖書の中の大叙事詩、ヨブ記からの引用です。ヤーウェの神を敬う羊飼いのヨブは、悪魔にささやかれたヤーウェによって、羊を何千頭も殺され、わが子や妻たちを皆殺しにされても、ヤーウェへの信仰をやめようとしませんで
熱い活字論、鋭い指摘学生ら納得、感心西宮市の関西学院大で31日開かれた「活字文化公開講座」(主催・活字文化推進会議、関西学院大)。会場に詰めかけた学生や社会人約220人は、ノンフィクション作家の佐野眞一さん(56)らが語る活字論に熱心に耳を傾けた。壇上の佐野さんは、ワイシャツを腕まくりし、時にキーワ
米原万里さんら「読む」大切さを強調文京区の東京大学弥生講堂で10日開かれた読売新聞が推進する「21世紀活字文化プロジェクト」の一環である「活字文化公開講座」(主催・活字文化推進会議、東京大学)。会場には約350人が詰めかけ、ロシア語通訳でエッセイストの米原万里さん(53)らの講演に熱心に聴き入った。
活字文化推進会議や日本新聞協会などでつくる「学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会」(事務局・学校図書館整備推進会議=日本児童図書出版協会内)は1月12日、学校図書館法公布70周年にあたる2023年を新たな契機に、学校図書館が自ら学び続ける市民の育成に大きく寄与することを願って、アピール文「私たちは学校図書館を応援しています」を発表しました。
アピール文では、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるために図書資料の充実、学校司書の待遇改善などを訴えています。賛同者には作家の浅田次郎氏、今村翔吾氏らが名を連ねています。アピール文と賛同者一覧は以下のとおりです。
アピール
私たちは学校図書館を応援しています
学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会
学校図書館整備推進会議
全国学校図書館協議会
文字・活字文化推進機構
アピール
私たちは学校図書館を応援しています
学校図書館法公布70周年の2023年を迎え、私たちは、学校図書館が学校教育に欠かせない基礎的な設備として、教育課程に寄り添い、子どもたちの人間的な成長を支えていることをあらためて確認したいと思う。
子どもたちはいま、1人1台のタブレット端末を持ち、瞬時に多様な情報を収集できる社会に生きている。そのようなネット時代に求められる新しい力は情報活用能力であり、その土台となるのが読書力である。
学校図書館は、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるための最良の場所であり、生きる力を育む知の空間である。「読書」「学習」「探究」という多機能を持つ学校図書館が、その使命を果たすには、いつでもそこにいて、図書資料と子どもをつなぎ、各教科等の授業を支援する学校司書の充分な配置が必須の条件となる。
2019年には読書バリアフリー法が制定され、学校図書館は、また一つ新たに意義深い課題を抱えることになった。この法律の具現化にあたっては、活字文化の振興や読書活動推進にかかわる既存の関連法や諸活動を、読書バリアフリー法の理念に照らして整備・振興していく必要がある。
社会全体の急激なデジタル化の中で、学校図書館は読書力や言語力、課題解決能力を育てる観点から子どもの成長段階に応じた図書資料、新聞資料、デジタル資料、バリアフリー資料を整備しなければならない。
私たちは学校図書館法公布70年を新たな契機に、これからの学校図書館が生涯にわたって、自ら学び続ける市民の育成に寄与することを期待し、心から応援するものである。
2023年1月12日
アピール賛同者一同
アピール賛同者一覧
浅田次郎 作家
あさのあつこ 作家
阿刀田高 作家
猪木武徳 大阪大学名誉教授
今村翔吾 作家
内館牧子 作家
内田伸子 お茶の水女子大学名誉教授
宇野和博 筑波大学附属視覚特別支援学校教諭
長田渚左 ノンフィクション作家
小野寺優 日本書籍出版協会理事長
片山善博 大正大学教授
川島隆太 東北大学教授
河村建夫 文字・活字文化推進機構会長
隈 研吾 建築家
酒井邦嘉 東京大学大学院教授
佐藤 学 東京大学名誉教授
鈴木みゆき 國學院大學教授
鈴木善久 伊藤忠記念財団理事長
銭谷眞美 新国立劇場運営財団理事長
俵万智 歌人
寺﨑昌男 東京大学名誉教授
中江有里 女優、作家
野口武悟 専修大学教授
坂東眞理子 昭和女子大学総長・理事長
肥田美代子 童話作家
堀川照代 放送大学客員教授
丸山昌宏 日本新聞協会会長
宮西達也 絵本作家
村山由佳 作家
柳田邦男 ノンフィクション作家
敬称略・50音順・2023年1月12日