大学との共催で行う公開講座です。作家や評論家などの講演のほか、開催大学の教師との対談もあります。
基調講演「言葉を鍛え『主役』を生きて」/あさのあつこさん私は岡山県の美作という小さな街で生まれ育ち、今もそこに住み、物語を書いている。夏休みに「バッテリー」の映画ロケが母校の美作中学校であった。最高気温37度になる中、エキストラを務める中学生に「大変だね」と話しかけたら、「こんな世界があるなんて知ら
本は「どこでもドア」〜島田さんによるイントロダクション先日、青山で飲んでいたら、霊能者だという人が、私の右肩の後ろあたりに誰かいると言う。誰ですかと聞いたら、「ゲーテがいます」「あの文豪のゲーテですか」「そう」「ゲーテの顔を知っているんですか」「もちろん」……。ゲーテに見
島田雅彦さん推薦 書名 著者 出版社 価格(税込) 永遠平和のために/啓蒙とは何か〜他3編〜 カント/著、中山元/訳 光文社 680円 断食芸人 カフカ/著、池内紀/訳 白水社 1,050円 オセロー シェイクスピア/著、福田恆存/訳
つながりを信じて〜村山さんによるイントロダクション真実に出会う瞬間宝物発見の醍醐味旅することが好きです。部屋にこもっていると、自分の引き出しが空っぽになってしまう気がします。メディアの言葉は他人の価値観をフィルターにしていますから、できるだけ自分の耳で聞き、自分の目で見たいと思って、なるべく外へ出て
村山由佳さん推薦 書名 著者 出版社 価格(税込) 体の贈り物 レベッカ・ブラウン マガジンハウス 1,680円 豚の死なない日 ロバート・ニュートン・ペック 白水Uブックス 840円 露の身ながら 多田富雄、柳澤桂子 集英社 1,
基調講演いじめられ全集が救い/山田さん本は双方向性メディア/奥泉さん【奥泉】職業作家になろうと思ったのはいつ?【山田】「文芸賞」を受賞した初めての小説「ベッドタイムアイズ」を書く時に、プロでやっていくと決めた。それまでも1、2行は書いたことがあったが、プロのレベルに達していないと自分で分かった。【奥
「読書を恋愛にしよう」荒俣さん〜イントロダクション言葉の海へ出航知る楽しさ発見きょうのテーマは、読書生活の勧めです。たぶん皆さんは、読書を1日の習慣にして、たくさん本を読むためにはどうしたらいいのか、といった思いを抱いていらしたと思います。ただ、読書を習慣づけるというのは、最終段階ではないかと私は思
荒俣宏さん推薦 書名 著者 出版社 価格(税込) ダーウィン以来 スティーブン・J・グールド 早川書房 840円 大菩薩峠 中里介山 筑摩書房 798円 寺田寅彦随筆集 寺田寅彦 岩波書店 693円 寄席はるあき 安藤鶴
「新しい『貧しさ』の時代に」重松清さん〜イントロダクション金が金稼ぐ「格差社会」体験重ね自分磨きを文学の世界では、特に近代以降の小説について、「病気と貧乏が最大テーマ」とからかい半分に言われてきました。尾崎紅葉の『金色夜叉』は、恋人がお金持ちの男に走って貧乏な主人公を捨てる話だったし、私小説だと、貧
重松清さん推薦 書名 著者 出版社 価格(税込) 不屈者 後藤正治 新潮社 1,680円 空ばかり見ていた 吉田篤弘 文藝春秋 1,800円 クオリア降臨 茂木健一郎 文藝春秋 1,700円 経験を盗め 糸井重里 中央
活字文化推進会議や日本新聞協会などでつくる「学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会」(事務局・学校図書館整備推進会議=日本児童図書出版協会内)は1月12日、学校図書館法公布70周年にあたる2023年を新たな契機に、学校図書館が自ら学び続ける市民の育成に大きく寄与することを願って、アピール文「私たちは学校図書館を応援しています」を発表しました。
アピール文では、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるために図書資料の充実、学校司書の待遇改善などを訴えています。賛同者には作家の浅田次郎氏、今村翔吾氏らが名を連ねています。アピール文と賛同者一覧は以下のとおりです。
アピール
私たちは学校図書館を応援しています
学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会
学校図書館整備推進会議
全国学校図書館協議会
文字・活字文化推進機構
アピール
私たちは学校図書館を応援しています
学校図書館法公布70周年の2023年を迎え、私たちは、学校図書館が学校教育に欠かせない基礎的な設備として、教育課程に寄り添い、子どもたちの人間的な成長を支えていることをあらためて確認したいと思う。
子どもたちはいま、1人1台のタブレット端末を持ち、瞬時に多様な情報を収集できる社会に生きている。そのようなネット時代に求められる新しい力は情報活用能力であり、その土台となるのが読書力である。
学校図書館は、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるための最良の場所であり、生きる力を育む知の空間である。「読書」「学習」「探究」という多機能を持つ学校図書館が、その使命を果たすには、いつでもそこにいて、図書資料と子どもをつなぎ、各教科等の授業を支援する学校司書の充分な配置が必須の条件となる。
2019年には読書バリアフリー法が制定され、学校図書館は、また一つ新たに意義深い課題を抱えることになった。この法律の具現化にあたっては、活字文化の振興や読書活動推進にかかわる既存の関連法や諸活動を、読書バリアフリー法の理念に照らして整備・振興していく必要がある。
社会全体の急激なデジタル化の中で、学校図書館は読書力や言語力、課題解決能力を育てる観点から子どもの成長段階に応じた図書資料、新聞資料、デジタル資料、バリアフリー資料を整備しなければならない。
私たちは学校図書館法公布70年を新たな契機に、これからの学校図書館が生涯にわたって、自ら学び続ける市民の育成に寄与することを期待し、心から応援するものである。
2023年1月12日
アピール賛同者一同
アピール賛同者一覧
浅田次郎 作家
あさのあつこ 作家
阿刀田高 作家
猪木武徳 大阪大学名誉教授
今村翔吾 作家
内館牧子 作家
内田伸子 お茶の水女子大学名誉教授
宇野和博 筑波大学附属視覚特別支援学校教諭
長田渚左 ノンフィクション作家
小野寺優 日本書籍出版協会理事長
片山善博 大正大学教授
川島隆太 東北大学教授
河村建夫 文字・活字文化推進機構会長
隈 研吾 建築家
酒井邦嘉 東京大学大学院教授
佐藤 学 東京大学名誉教授
鈴木みゆき 國學院大學教授
鈴木善久 伊藤忠記念財団理事長
銭谷眞美 新国立劇場運営財団理事長
俵万智 歌人
寺﨑昌男 東京大学名誉教授
中江有里 女優、作家
野口武悟 専修大学教授
坂東眞理子 昭和女子大学総長・理事長
肥田美代子 童話作家
堀川照代 放送大学客員教授
丸山昌宏 日本新聞協会会長
宮西達也 絵本作家
村山由佳 作家
柳田邦男 ノンフィクション作家
敬称略・50音順・2023年1月12日