◆努力続けるしかない 首都圏の生産拠点・横浜工場(横浜市鶴見区)で昨年3月から工場長を務めています。1992年に医療機器関連メーカーから中途入社し、最初は福岡工場に勤務しました。当時は、女性が男性と同じように働く時代ではなく、最初は「お茶くみをして」と言われることもありました。まずは実績を示そうと
◆情報担当官千畝の実像 大学時代は万葉集の研究に打ち込み、約10年前から映画、演劇の評論活動をしています。教員時代は国語を教えながら、生徒に「金融やITが世界を動かしているというが、わずか100年程度の歴史。1000年を超えて読み継がれる万葉集のように文化には長い歴史があり、人間の根本だ」と言い続
◆庶民のクールな目 横須賀市で弁護士をしながら、基地問題や市の公共施設のあり方などを考える市民活動にも力を入れています。若い頃から軍記物が好きで、角川文庫版を読みました。最近になって読み返したところ、「武将を主人公にした戦いの物語」という面だけでなく、平家の盛衰を第三者である庶民がクールな目で見た
◆明晰極めた論理と言葉 育ったのは横浜市磯子区の日本家屋。大審院検事だったじいさんが横浜の検事正だった時に建てた家で、じいさんと工業化学技術者だったおやじの専門書、歴史書、文芸書、あらゆる本が書斎にも応接間にも廊下にもあふれていた。おやじを見て、人はじーっと本を読むのが普通だと思っていたから、乱読
◆犬との関係変えた西洋化 横浜開港資料館(横浜市中区)で主任調査研究員を務めていた今年の初め、戌(いぬ)年にちなんだミニ展示「幕末明治横浜犬事情」を開催しました。 タイトルを考える際はいつも頭を悩ませます。人の目につきやすく、関心を呼び起こすものでなければなりません。そんなとき、激動の時代に翻
◆宇宙への想像力培う 新聞に連載されていたのが10歳の頃。夢中で読みました。その頃に東京・有楽町のプラネタリウムを見に行って以来、星の世界に魅了されていたからです。戦時中の1945年、空襲に遭ったときも星の本を抱えて逃げたほどです。 火星人が地球に侵入するため、人間の姿に化けて日本に潜り込ん
◆教訓を訓練に生かす 2001年、海上保安庁に新設された国際・危機管理官という部署に着任しました。諸外国との調整や、テロなどの国民の生命を脅かす恐れのある緊急事態に備える仕事です。「危機管理とは、失敗をしないことだ」と思っていた私は、タイトルに目を奪われ、この本を手に取りました。 本では、失敗を
◆人を支える信仰の力 私は10代の頃、父の本棚にあった初版本をこっそり借りて読みました。父の書棚には500冊以上の本がありましたが、一番覚えているのがこの本です。2016年に映画化されたことがきっかけとなり、久しぶりに読み返しました。 物語は江戸時代初期、キリスト教信者が弾圧される長崎の五島列
◆大戦後も戦争続く日本舞台 大学1年の頃です。作家活動にとどまらず、映画監督やテレビ出演など様々な舞台で活躍していた村上龍さんに興味を持ち、この本を手に取りました。勢いのある文章にのめり込んで一晩で読み終わり、感傷に浸ったことを思い出します。 物語は、第2次世界大戦後も戦争が続く日本が舞台。1
◆五感で芸術楽しむヒント 私は学芸員として、美術館で展示作品を来館者と一緒に見ながら、目で見たモノを言葉に介し、想像力を膨らませながら楽しんできました。 一方で、視覚だけでなく、五感を使って楽しめる作品がもっとあってもいいんじゃないか。音が出てもいいし、香りがしたっていい。そんな思いを抱くよう
活字文化推進会議や日本新聞協会などでつくる「学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会」(事務局・学校図書館整備推進会議=日本児童図書出版協会内)は1月12日、学校図書館法公布70周年にあたる2023年を新たな契機に、学校図書館が自ら学び続ける市民の育成に大きく寄与することを願って、アピール文「私たちは学校図書館を応援しています」を発表しました。
アピール文では、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるために図書資料の充実、学校司書の待遇改善などを訴えています。賛同者には作家の浅田次郎氏、今村翔吾氏らが名を連ねています。アピール文と賛同者一覧は以下のとおりです。
アピール
私たちは学校図書館を応援しています
学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会
学校図書館整備推進会議
全国学校図書館協議会
文字・活字文化推進機構
アピール
私たちは学校図書館を応援しています
学校図書館法公布70周年の2023年を迎え、私たちは、学校図書館が学校教育に欠かせない基礎的な設備として、教育課程に寄り添い、子どもたちの人間的な成長を支えていることをあらためて確認したいと思う。
子どもたちはいま、1人1台のタブレット端末を持ち、瞬時に多様な情報を収集できる社会に生きている。そのようなネット時代に求められる新しい力は情報活用能力であり、その土台となるのが読書力である。
学校図書館は、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるための最良の場所であり、生きる力を育む知の空間である。「読書」「学習」「探究」という多機能を持つ学校図書館が、その使命を果たすには、いつでもそこにいて、図書資料と子どもをつなぎ、各教科等の授業を支援する学校司書の充分な配置が必須の条件となる。
2019年には読書バリアフリー法が制定され、学校図書館は、また一つ新たに意義深い課題を抱えることになった。この法律の具現化にあたっては、活字文化の振興や読書活動推進にかかわる既存の関連法や諸活動を、読書バリアフリー法の理念に照らして整備・振興していく必要がある。
社会全体の急激なデジタル化の中で、学校図書館は読書力や言語力、課題解決能力を育てる観点から子どもの成長段階に応じた図書資料、新聞資料、デジタル資料、バリアフリー資料を整備しなければならない。
私たちは学校図書館法公布70年を新たな契機に、これからの学校図書館が生涯にわたって、自ら学び続ける市民の育成に寄与することを期待し、心から応援するものである。
2023年1月12日
アピール賛同者一同
アピール賛同者一覧
浅田次郎 作家
あさのあつこ 作家
阿刀田高 作家
猪木武徳 大阪大学名誉教授
今村翔吾 作家
内館牧子 作家
内田伸子 お茶の水女子大学名誉教授
宇野和博 筑波大学附属視覚特別支援学校教諭
長田渚左 ノンフィクション作家
小野寺優 日本書籍出版協会理事長
片山善博 大正大学教授
川島隆太 東北大学教授
河村建夫 文字・活字文化推進機構会長
隈 研吾 建築家
酒井邦嘉 東京大学大学院教授
佐藤 学 東京大学名誉教授
鈴木みゆき 國學院大學教授
鈴木善久 伊藤忠記念財団理事長
銭谷眞美 新国立劇場運営財団理事長
俵万智 歌人
寺﨑昌男 東京大学名誉教授
中江有里 女優、作家
野口武悟 専修大学教授
坂東眞理子 昭和女子大学総長・理事長
肥田美代子 童話作家
堀川照代 放送大学客員教授
丸山昌宏 日本新聞協会会長
宮西達也 絵本作家
村山由佳 作家
柳田邦男 ノンフィクション作家
敬称略・50音順・2023年1月12日