ヨミウリ・ジュニアプレスがゲストにインタビュー

学校とは違う「先生」(hanae*さん)

20050726b_01.jpg 「本はいつでも自分を深めてくれる」とhanae*さんは言います。本の中に自分の仲間を見つけたり、自分とは違う考え方を発見したり……。「学校とは違う『先生』みたいなものかもしれない」

読売新聞の作文コンクールで文部科学大臣賞を受賞した作品では、山本文緒さんの本がお手本でした。山本さんの文章、特にその始め方と終わり方が大好きだったので、それを理想として近づきたいと思っていたそうです。

書くことを始めてからは、人物の描き方に注意して、人をよく観察するようになりました。今まで見えなかった友達の一面が見えてきたり、電車の中で自分の前にいる人がどこに向かうのか、と想像を膨らませたりすることが面白くなってきたと言います。

「だれかを感動させたり、心を動かしたりできる仕事がしたい。そんな『表現者』になりたいですね」と夢を語るhanae*さん。最近は、同世代の人物の葛藤(かっとう)する気持ちが表れている小説をたくさん読むそうです。

「言葉は乱れているというより進化している」とカッコイイことも言っていました。hanae*さんを見ならってカッコイイ“作文家”になりたいと思いました。

(小6・岩崎卓也、藤井望、高1・江原桂都記者)

人間の生き方学んだ(あさのさん)

20050726b_01.jpg 「本からは色々な言葉を教えてもらいました。『あなたが好きだよ』と言うにしても、『私のことをわかってください』と言うにしても、色々な言い方があります」

人間の生き方、面白さなども本から学んだというあさのさん。本とつきあい出したのは中学生になったころからで、海外のミステリーに熱中して、謎の解き方、人物や物語の作り方を学びました。高校時代に物語を書き始め、「人間を書きたい」という思いを強くしていったそうです。

代表作『バッテリー』には、主人公・原田巧をはじめ個性の強い人物が登場。中学生とは思えないほどの心理戦や心の葛藤(かっとう)が繰り広げられています。

あさのさんは、中学生という枠にはめないで描く方が「面白い」と言います。「物語に出てくる子を好きだという人がいたらうれしい。でも、嫌いだという人がいてもいい。そんなふうに、現実に生きている生身の人間のように、読者が受け止めてくれたら」

作家には学歴も資格も必要ありません。大切なのは「読んで読んで読みまくり、書いて書いて書きまくること」と強調するあさのさん。これからも、心を揺さぶるような作品を期待したいです。

(小5・山田彰城、高1・大寺健登記者)

(2005/07/26)

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