全国高校ビブリオバトル代表、山口・愛知・群馬・福井・山形でも決定…11月3、4日

山口…高杉真結香さん、チャンプ本は「みんな蛍を殺したかった」

本の魅力を紹介する高杉さん

 高校生が愛読書を紹介し合い、一番読みたい本を聴衆の投票で決める全国高校ビブリオバトル山口県大会(周南公立大主催、読売新聞社など後援)が4日、周南市の周南公立大図書館で開かれ、県立防府高1年高杉真結香さん(15)が優勝した。来年1月28日に東京国際大池袋キャンパスで開かれる決勝大会に出場する。

 

 5校の計8人が、1人5分間の持ち時間でお薦めの本について熱弁を振るい、会場の約30人が投票した。

 

 高杉さんは「みんな蛍を殺したかった」(木爾(きな)チレン著、二見書房)を紹介。誰もがうらやむ美少女転校生の自殺を巡り、仲の良かった女子高生3人と転校生のそれぞれの視点から謎が明かされていくストーリーで、高杉さんは展開の面白さを紹介した。

 

 賞状を受け取った高杉さんは「本の魅力をしっかり伝えようとアドリブや手ぶりを交える工夫をした。決勝大会が楽しみ」と話していた。

愛知…渡辺稟惺さん、チャンプ本は「世界でいちばん透きとおった物語」

優勝した渡辺さん(名古屋市で)

 高校生がお薦めの本を紹介し、書評を競い合う「高校生ビブリオバトル愛知県大会」(県教育委員会、県子供読書活動推進協議会主催)の決勝が3日、名古屋市中区の県図書館であり、県立安城高1年の渡辺稟惺(はいせ)さん(16)が優勝した。来年1月28日に東京国際大池袋キャンパスで行われる全国大会に出場する。

 

 愛知県大会は、1人5分の書評の後、質疑も行い、勝敗は聴衆らの投票で決める。23人での予選を勝ち抜いた6人が決勝に挑んだ。

 

 渡辺さんの一押しは杉井光氏の小説「世界でいちばん透きとおった物語」。大御所ミステリー作家の婚外子の主人公が父親の遺稿を探す物語で、「紙の本でしか読めない特別な仕掛けがある。読書人生に刺激や変化を与えてくれる」などと語りかけ、聴衆の興味をかき立てた。

 

 渡辺さんは「こんな本の読ませ方があるんだと刺激や可能性を感じた本。全国大会では私の思いを一人でも多くの人に伝染させ、読んで楽しかったという人を増やしたい」と語った。

群馬…小此木陽菜さん、チャンプ本は「Q&A」

小説「Q&A」の魅力について語る小此木さん(3日、前橋市で)

 高校生がお薦めの本の魅力を語る「全国高校ビブリオバトル」の群馬県大会(県教育委員会主催、県高校教育研究会図書館部会共催、読売新聞社など後援)が3日、前橋市日吉町の県立図書館で開かれた。小説「Q&A」(恩田陸著、幻冬舎)を紹介した伊勢崎興陽高3年の小此木陽菜さん(17)が2年連続で優勝した。

 

 大会参加者24人のうち4人が決勝に進み、5分間で本の魅力を紹介。観客65人が最も読みたいと感じた本に投票した。

 

 同作品は、大型商業施設で起きた重大死傷事故の真相をめぐり、多数の目撃者や被害者のQ&Aによって進行する小説だ。小此木さんは「会話だけで話が進む独特な世界観にどっぷりつかることができる」と魅力を紹介し、「関係性の違う様々な人の会話のつながりがおもしろい。読み手によって、ミステリーにもSFにも、ホラーにもなる」と熱弁した。

 

 小此木さんは、来年1月28日に東京都豊島区の東京国際大池袋キャンパスで開かれる決勝大会に出場する。

福井…木村碧さん、チャンプ本は「さよならドビュッシー」

「さよならドビュッシー」の魅力を語る木村さん(福井市で)

 高校生による書評合戦「ビブリオバトル」の福井県大会(県教委主催、活字文化推進会議など共催、読売新聞社後援)が3日、福井市の県立図書館で開かれ、仁愛女子高1年の木村碧さん(15)が優勝した。木村さんは来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で開かれる決勝大会に出場する。

 

 福井県大会には15人が参加。5分の制限時間でお薦めの本の魅力を語った。

 

 木村さんは推理小説「さよならドビュッシー」(中山七里著、宝島社)を紹介。「ミステリー、熱血もの、音楽の三つの軸で話が進む。違う要素に注目して読むとどんな人でも楽しめる」と話し、シリアスなあらすじを紹介する場面では重々しく、楽しい音楽的な側面を語るときには明るい口調で観客に語りかけた。

 

 全国大会に向けて、「身ぶり手ぶりを加え、全身で本の魅力を表現したい」と意気込みを語った。

 

 準優勝は、「サクラサク、サクラチル」(辻堂ゆめ著、双葉社)を取り上げた県立丸岡高2年の吉田堆峨さん(17)だった。

山形…白畑珠代さん、チャンプ本は「風が強く吹いている」

身ぶり手ぶりを交えて本の魅力を語る白畑さん(3日、山形市緑町の遊学館で)

 高校生がお薦めの本の魅力を語り、聴衆が最も読みたくなった1冊を投票で決める書評合戦「全国高校ビブリオバトル2023」の山形県大会(県教育委員会主催、読売新聞社など後援)が3日、山形市緑町の遊学館で開かれ、県立酒田東高1年、白畑珠代さんが優勝した。白畑さんは来年1月に東京国際大学(東京都)で開催予定の全国大会に出場する。

 

 ビブリオバトルは、1人5分の持ち時間で愛読書の魅力をアピールする。2分間の質疑応答を行い、聴衆が最も読みたくなった1冊を多数決で決める。県大会には、12校から計17人が参加し、予選を勝ち抜いた4人が決勝に進出した。

 

 優勝した白畑さんは、小説「風が強く吹いている」(三浦しをん著、新潮文庫)を紹介。普通の大学生たちが、箱根駅伝出場を目指して挑戦するという物語だ。白畑さんは「箱根を目指す選手たちの熱い気持ちが伝わってくる小説で、寒い冬でも心がぽかぽかになる」と、声に抑揚をつけて、感情豊かに魅力を語った。

 

 全国大会に向け、白畑さんは「緊張に負けない明るいはっきりした声で、全国の人たちにこの本の魅力を伝えたい」と意気込んだ。

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