全国高校ビブリオバトル代表、島根・鳥取・山梨でも決定…12月9~10日

島根…木村優成さん、チャンプ本は「宙ごはん」

「宙ごはん」の魅力を紹介する木村さん(出雲市で)

 高校生がお気に入りの本の魅力を語る書評合戦「全国高校ビブリオバトル」の島根県大会(実行委員会主催、読売新聞社など後援)が9日、出雲市のビッグハート出雲で開かれた。小説「宙(そら)ごはん」(町田そのこ著、小学館)を紹介した県立松江工3年の木村優成(ゆな)さん(18)が2年連続で優勝した。

 

 県内12校から代表1人が出場し、本の内容や見所を5分で紹介。参加者や運営スタッフら約90人が読みたくなった本に投票し、木村さんが頂点に立った。

 

 今年の本屋大賞にノミネートされた「宙ごはん」は、事情を抱えた母娘の関係を軸に、家族が成長していく姿を描いた作品だ。木村さんは「寒い日にこたつに入って、皆とおでんをつつくような安心感や温かさがある」などと紹介。同作に登場する料理の数々に食欲をそそられ、夜食をつまんだ自身のエピソードを披露すると、会場は笑いに包まれた。

 

 来年1月28日に東京都豊島区の東京国際大池袋キャンパスで開かれる決勝大会(特別協力・東京国際大)への出場を決めた木村さんは、「大好きな本だからこそ、どう話そうか悩んだ。全国大会では、この本の温かさをより多くの人に伝えたい」と意気込んだ。

 

鳥取…鳥飼綾乃さん、チャンプ本は「15歳のテロリスト」

お薦めの本の魅力を伝える鳥飼さん(倉吉市で)

 高校生がお気に入りの本の魅力を紹介し合う「全国高校ビブリオバトル」の鳥取県大会(県教委主催、活字文化推進会議、読売新聞社など後援)が10日、倉吉市の倉吉体育文化会館で開かれ、湯梨浜学園高校1年の鳥飼綾乃さん(16)が優勝した。来年1月28日に東京都豊島区の東京国際大池袋キャンパスで開かれる決勝大会(特別協力・東京国際大)に出場する。

 

 県大会には8校から13人が出場し、好きな本の魅力を5分の持ち時間で紹介。会場の聴衆らが一番読みたくなった本に投票した。予選を勝ち進んだ3人で決勝を戦い、鳥飼さんの「15歳のテロリスト」(松村涼哉著、メディアワークス文庫)が最多得票だった。

 

 鳥飼さんは「想像してください。あなたの大切な人が殺されました。犯人は10代の少年でした」と切り出し、会場を引きつけた。少年犯罪をめぐるミステリー小説の魅力を、強弱をつけたり間をとったりして、表現豊かに語りかけた。

 

 優勝を決めた鳥飼さんは「いろんな人に本の魅力や、いろんな本があることを伝えたい。優勝目指してがんばる」と決勝大会に向けて意気込んだ。

山梨…宮崎奏音さん、チャンプ本は「I Love Youの訳し方」

高校生の部で優勝した宮崎さん(右)と中学生の部を制した加藤さん

 中高生がお薦めの本をアピールし、聴衆がその中から読みたくなった本を投票で選ぶ「ビブリオバトルやまなし2023」(山梨県教育委員会主催、読売新聞社など後援)が、甲府市北口の県立図書館で開かれた。

 

 参加者は5分間で推し本の魅力を熱弁。聴衆の投票の結果、高校生の部で北杜市立甲陵高2年の宮崎奏音(かのん)さん(17)が、中学生の部は市川三郷町立六郷中2年の加藤大悟さん(14)が優勝し全国大会出場を決めた。

 

 宮崎さんは、100通りの愛の表現を紹介した「I Love Youの訳し方」(望月竜馬著)を取り上げ、「『愛』という言葉を使わなくても愛情が伝わる表現ばかり。自分の好きなI Love Youが見つかる」と熱弁した。

 

 加藤さんは、主人公と神話の登場人物たちが繰り広げる冒険物語「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(リック・リオーダン著)を紹介。優勝が決まると、「ミステリーとファンタジーが融合した作品の面白さを分かりやすく伝えたい」と、全国大会への意気込みを語った。

 

 高校生の全国大会は来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で、中学生は3月24日に龍谷大学瀬田キャンパス(滋賀県大津市)で開催される。

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