準グランドチャンプ本は「るん(笑)」小林捺哉さん紹介、特別賞は「あなたの燃える左手で」山上出雲さん紹介

 昭和女子大学(東京都世田谷区)で17日に開かれた書評合戦「第14回全国大学ビブリオバトル~首都決戦~」(活字文化推進会議主催)で、帝京大学大学院2年の小林捺哉さん(23)が紹介した「るん(笑)」(酉島伝法著、集英社)が準グランドチャンプ本に選ばれた。

プレゼンターを務めた作家の角田光代さん(右)と並んで喜ぶ小林さん

 

小林さん「言葉遊び、ふんだんに」

 

 同作は、科学がさげすまれ、精神的な価値が重要視される世界が舞台になった連作小説。投薬などを否定し、祈りなどスピリチュアルな方法で病気を治そうとする人々が登場する。小林さんは「言葉遊びがふんだんに盛り込まれている。言葉は人が人を思うために作られたんだ、そんな発見がこの小説にあります」と訴えた。

 

山上さん「痛みが重なって物語が進む」

 

 ゲスト特別賞には、大東文化大学文学部4年の山上出雲さん(22)が紹介した「あなたの燃える左手で」(朝比奈秋著、河出書房新社)が選ばれた。

プレゼンターを務めた元ボクシング世界王者・村田諒太さん(右)と並んで喜ぶ山上さん

 

 山上さんは5分間の発表の冒頭、「左手をあげてください。その手が失われたとしたら……。想像できますか」と呼びかけて聴衆の関心を引き、「精神的な痛み、身体的な痛みが重なって物語が進んでいく。芸術作品です」と紹介した。山上さんは、昨年に続き、2回目の全国大会出場。昨年は準決勝で敗退しただけに、「丸暗記の発表だった昨年の反省を踏まえ、聴衆の反応を見て、共感が得られるようアドリブを生かしたのがよかった」と受賞を喜んだ。

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