神前拓望さん「友人がたくさんできた」宮路結愛さん「歴史小説に手を伸ばして」…全国高校ビブリオバトル特別賞と大学賞

 東京都豊島区の東京国際大学池袋キャンパスで先月28日に開かれた「第10回全国高等学校ビブリオバトル決勝大会」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管、東京国際大学特別協力)で、関西創価高校1年の神前拓望(こうさきたくみ)さん(16)が取り上げた「吉祥寺の朝日奈くん」(中田永一著、祥伝社)がゲスト特別賞に選ばれた。関西創価高は昨年の大会で高校王者を出しており、2大会連続での上位入賞となった。

 

ゲスト特別賞を受賞し、ゲスト作家の朝井リョウさん(右)と高瀬隼子さん(左)から祝福される神前さん

「吉祥寺の朝日奈くん」軽妙な話術で語る…神前さん

 

 神前さんは、今回初めて実施されたオンライン予選「読売中高生新聞大会」で優勝して全国切符を獲得し、49人が集まった決勝大会でも予選を突破。「ベスト8」による最終決戦では、会場を埋めた約500人を前に「秘密と秘密が交差する、新感覚の恋物語。どんな人にもおすすめできるフレッシュな一冊」などと軽妙な話術で愛読書を紹介した。

 

 表彰式では、ゲストの朝井リョウさん(直木賞)と高瀬隼子さん(芥川賞)という当代の人気作家から祝福されて、会心の笑みを浮かべ、「本が好きだという共通の思いを持つ友人がたくさんできた。最高に楽しかった」と喜んでいた。

 

歴史小説「月と日の后」紹介、ゲストの人気作家も魅了…宮路さん

東京国際大学賞に選ばれ、笑顔を見せる宮路さん

 高校生がお薦めの本の魅力を語り、聴衆が最も読みたくなった本を投票で決める「第10回全国高等学校ビブリオバトル決勝大会」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管)が28日、東京国際大学池袋キャンパスで開かれ、鹿児島県立加治木高2年の宮路結愛(ゆあ)さん(17)が東京国際大学賞に選ばれた。

 

 宮路さんは藤原道長の娘、彰子の生涯を描いた歴史小説『月と日の后(きさき)』(冲方丁(うぶかたとう)著、PHP研究所)を紹介。発表後の質疑応答では、ゲストの芥川賞作家高瀬隼子さんが真っ先に手を上げ、「ステキな発表、ありがとう」と呼びかけた。直木賞作家朝井リョウさんも「どうして歴史小説に、はまったの」と身を乗り出していた。

 

 閉会式で東京国際大の倉田信●(「靖」の異体字)理事長・総長から表彰状などを贈られた宮路さんは「今日の私の発表を聞いた人が、歴史小説に手を伸ばしてくれればうれしい。これからもビブリオバトルを続けていきたい」と声を弾ませていた。

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