中村修都さん「見返せてうれしい」大口ひかりさん「緊張したけど伝わった」…全国中学ビブリオバトル優勝と準V

 龍谷大学瀬田キャンパス(滋賀県大津市)で24日に行われた「第7回全国中学ビブリオバトル」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管、龍谷大学特別協力)で優勝した関西創価中(大阪府交野市)3年の中村修都さん(15)は、こう言って胸を張った。「大阪府大会に優勝して代表になったときに『おまえに全国は無理や』と知人から言われた。見返せてうれしい」。表彰式では、笑顔で拳を突き上げ、喜びをジェスチャーで表現した。

拳を突き上げるジェスチャーで、優勝の喜びを表現する中村さん(多田貫司撮影)

「脳の外で考える」身ぶりでも表現…中村さん

 

 お気に入りの本を5分間で紹介し、観客が最も読みたくなった本を投票で決める書評合戦。秋田、大阪、長崎など14府県のほか、東京と京都の広域大会の優勝者、全国各地の学校代表など計46人が出場し、決勝は6人が競った。

 

 中村さんは「脳の外で考える」(アニー・マーフィー・ポール著、ダイヤモンド社)を取り上げた。思考力を高める様々な方法を科学ジャーナリストが提示した一冊だ。

 

 発表では、「ジェスチャー」が記憶力に、「落書き」が集中力に与える好影響を、身ぶりをまじえてよどみなく語った。「みなさんも脳のパフォーマンスを上げ、莫大(ばくだい)な成果を収めてはいかがでしょうか」。450人を超える聴衆に堂々と呼びかけ、最多の支持を得た。

 

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「小説 太宰治」の魅力、堂々と…大口さん

 

 準優勝した白山市立松任中学2年の大口ひかりさん(14)は「出場者のレベルが高くてびっくりした。まさかの結果で、とってもうれしい」と笑顔を見せた。

「伝わった手ごたえがあった」という大口さんの発表

 

 中学生がお気に入りの本を紹介し、最も読みたくなった本を観客の投票で決める書評合戦。大口さんは「小説 太宰治」(小学館)を取り上げた。作家壇一雄が「天才」と称した太宰との青春の日々をつづった回顧録だ。

 

 6人が進んだ決勝では、ゲストの作家や450人を超える観衆の前に立ち、堂々とその魅力を訴えた。「この本の面白さを何とかして伝えかった」という大口さんは「観客がたくさんいて緊張したけど、うなずいている人たちが見えたとき、『伝わった』と思った。手応えがありました」と喜びを語った。

 

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